Erwachen Sie nicht
目覚めるな
Erlauben Sie es uns nicht zu erwachen
私達を目覚めさせるな
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「犬夜叉、かごめちゃん」

「珊瑚ちゃん、弥勒様」

「帰っていたんですね」

「うん。気になるから」

「少し長い話になります。座ってからにしましょう」

楓の家へと帰って来た珊瑚と弥勒は出迎えた犬夜叉とかごめと挨拶を交わし、家の奥へと連れ立って向かった。



「単刀直入に言います。奈落かどうかわかりません」

「どういうことだ？」

「私達は奈落らしき妖怪を見たって奴に会ってきた。だけど、どうもあやふやなんだ」

「しっかりと姿を見たわけではないんです。しかし、特徴を言われてみると奈落と似ている気もする」

「奈落と似たような奴なんて…」

そうそういないと言おうとしたかごめの声に珊瑚の声が重なる。

「白い狒々の毛皮を羽織り、近くにいた妖怪を繭にして連れて行ったらしい」

「それって…」

「奈落、なんじゃないかと思う。だけど…」

「奈落は死んだ…俺達が倒したはずだ」

犬夜叉の言葉に返す言葉を持つ者はおらず、静寂が家を包む。

その静寂を破ったのは弥勒だった。

「だから妙なんです。奈落が復活できるわけがない。四魂の玉もかごめ様によって消えたんですから」

「確かめに行きましょう。ここで考えても答えは出ないもの」

かごめが3人を見て言う。

その言葉に3人がそれぞれ頷いた。

「そうだね」

「行くぜ」

「行きましょう」



「楓様、子供達を宜しくお願いします」

「あぁ。気をつけて行ってくるんじゃぞ」

「はい」

弥勒と珊瑚は子供達を楓へと預け、挨拶をすませる。

子供達は幼いながらも弥勒と珊瑚の仕事に誇りを持っているようで、多少寂しそうな顔はするものの、行かないでほしい、と駄々をこねることは無い。

「りんちゃん、楓ばあちゃんを助けてあげてね」

「はい！」

かごめの言葉に元気よく返事を返すりんを見てかごめはふと綺梗を思い出す。

今回は時間が無かった為、かごめが犬夜叉と共に戦国時代に戻る事を直接伝えられなかった。

しかも、数日間はかごめの実家を拠点に色々な所に行こうとかごめと綺梗は以前から約束しており、綺梗はとても楽しみにしていた。

「悪い事しちゃったな…」

しかし、奈落が復活したかもしれないと言われば大人しくしていることなど出来ない。

「そろそろ行くぜ」

「うん」

「あぁ」

「えぇ」

犬夜叉の声に続いて4人は楓の家を出た。



「本当に奈落なのかな？奈落だとしたら、どうやって…」

「それをこれから確かめるんです。自ずとわかります。今はあまり考え込まない方がいい」

いつも通り宙を駆ける雲母に乗りながら珊瑚は独り言のように呟く。

弥勒が答えを持たないながらも珊瑚を不安にさせまいと言葉をかける。

「うん…そうだね。ありが…ひゃぁっ！何すんのさっ！」

「いゃぁ、緊張を解してあげようかと思いまして」

「いらん世話だ！どうしていつまでたってもそんな事…」

腰にまわされている手を離そうともがいていると、急に感じた妙な気配に珊瑚が手を止める。

「急に嫌な天気になりましたね」

「気をつけて。何かおかしい」

「えぇ。わかっています」

「そこだっ！」

いち早く何かを察した珊瑚が飛来骨を投げるものの、それは容易に投げ返される。

「な、何！？」

「龍？」

「はぁ…」

それまで一歩も動かなかった犬夜叉は溜息をついた後、バキッと龍の脇腹あたりを殴る。

すると、ポンッという音と共に龍が消えた。

「幻だったのか」

「おい、さっさと出てこい。出て来ねぇんならこっちから行くぞ？」

龍がいた場所とは異なる誰もいない場所に向かって犬夜叉は言う。

すると、懐かしい声が辺りに響く。

「ふっふっふっ、流石は犬夜叉じゃな」

「もしかして」

「久し振りじゃな」

「七宝ちゃん！」

ポンッという音と共に成長した七宝が4人の前に姿を現す。

そして、手の平を前に翳しながら言う。

「今回はオラも一緒に行くぞ！もう立派な大人なんじゃからな！」

「七宝ちゃん…」

「オラだけ仲間はずれはもうさせん！！」

力強く、睨むような視線に笑い返し、珊瑚は静かに言った。

「わかった。一緒に行こう」

「修業の成果を見せてもらいましょう」

珊瑚に続いて弥勒も笑う。

「珊瑚…弥勒…」

「期待してるね、七宝ちゃん」

「かごめ…」

「いいよね、犬夜叉」

すぐ横に立っている犬夜叉を見つめながらかごめが問う。

七宝が緊張しながら見つめる中、犬夜叉は一瞬だけ七宝を見た後、言った。

「けっ。勝手にしやがれ。もうガキじゃねぇんだ。七宝が決めたってんなら俺は何も言わねぇよ」

「犬夜叉…まかせておけ！奈落などオラのキツネ妖術でイチコロじゃ！」

「それは頼もしい限りです」

「期待してるよ、七宝」

「まかせておけ！」



Do not awake

Do not allow us to awake

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