『クフフ、クフフ、クフフのフ〜。踊らせてあげますよ。霧のカルネバ〜レ』
何でこんな事になってるんだ?
何で俺は骸と2人でカラオケやってるんだ?
あれ、何でだっけ?
あぁそうか、思い出した。
あれは・・・
さぁ、歌いましょう
『山本は部活。獄寺君は用事。俺1人で帰るなんて久しぶりだなぁ・・・あれ?』
俺は校門の所に見たことがあるけど、ここにはいないはずの女の子を見つけた。
その子・・・クロームさんも俺を見つけたみたいで、俺の方に走ってきて言った。
『ボス・・・』
『クロームさん、何してるの?』
『クロームでいい』
少し覗き込まれるようにして言われて、俺は可愛いと思いながらも聞いてみた。
『じゃぁクローム。何してるの?」
『ボス、私ボスとカラオケに行ってみたいの』
話を聞けばクロームは仲が良い友達はいなかったし、両親との仲もあまり良くなかったらしく、カラオケに一度も行ったことが
ないらしい。
『だからお願い、ボス』
そんな風に言われたら断りずらくて、俺はいいよと頷いてしまった。
そして前に獄寺君と山本と一緒に来た事があるカラオケ店へとやって来た。
そう、そこまではよかった。
クロームを先に部屋へと行かせて、俺が部屋へと入ったら、そこにいたのはクロームではなかった。
『遅かったですね、ボンゴレ』
俺はあまりの衝撃に持ってきたカップを落っことしてしまった。
骸はそんな俺を見て呆れたように笑いながら言った。
『ボンゴレ、もう少し注意を払ったほうが良いと思いますよ?』
『煩い!!大体何でお前がここにいるんだよ!!マーモンとの戦いで力を使いすぎて出て来れないってリボーンが
言ってたぞ!!』
『クフ、甘いですね。僕は六道骸ですよ。僕に不可能は無いんです!!』
『冗談でも全世界が自分中心に回ってるみたいな言い方するの止めろよ』
いや、骸の場合本気で言ってそうだけど。
『事実なので仕方が無いですね』
『・・・そう。じゃぁ俺は帰るから』
そう言って帰ろうとした俺の腕を骸の手が掴んだ。
『クフフ、逃がしませんよ、ボンゴレ』
『離せ!!』
俺の言葉にも骸はクフクフ笑うだけで、さぁボンゴレ、僕とLet’sカラオケです!!なんて言われたらもうどうにでもなれとしか
思わなかった。
そして、それが今に続いている。
カラオケ店に着いて直ぐに骸はリモコンを弄り、何か曲を入力する。
直ぐにサンバみたいなリズムの曲が流れてきた。
骸はというと満面の笑みで見ててくださいね、ボンゴレなんて言ってる。
まぁ、別にいいんだけどさ。
そんな想いは次の瞬間に吹き飛んでしまった。
テレビに映った画面にはしっかりと『歌 六道骸』と出ていた。
そういえば前にヒバリさんと骸がデュエットCDを撮って、それぞれ自分の歌を歌ったという話を聞いた気がする。
そのときは大して気にしてなかったけど、今になってそれが間違いだと気付いた。
そんな俺にことなんてお構い無しに骸はノリノリでサンバ調の歌を歌っていく。
「さあ〜僕と契約しませんか?」
というフレーズで俺の方にいきなり差し出された手を見て俺は驚く。
骸は歌いながらもその手を引っ込めようとはしなくて、俺はふざけるなって言ってその手を払い落とした。
骸は曲中に何回かあるそのフレーズの部分で何度も俺に手を差し出した。
その手を取ることは絶対に出来ない。
骸なら契約成立ですねとか言いかねない。
いや、絶対に言う。
そんな事を考えていたら歌い終えた骸が俺に聞いてきた。
「どうしましたボンゴレ、歌わないんですか?君もアルコバレーノとデュエットしたんですから少しは歌いなさい」
「なっ!!何でお前がそんな事知ってるんだよ!!」
「僕に知らない事などありません」
いや、別に自信満々に言わなくていいんだけど・・・。
「ボンゴレは何か入れないんですか?入れないなら僕がずっと歌っちゃいますよ?」
「いやあのさ、さっきからお前がリモコンも本も独占してんじゃん」
「次は・・・そうですね、【最強○×計画】にでもしますか?それとも【切情!佰火繚乱】にしますか?」
「やめてくれキモいから。マジでやめろ。」
「おや、ボンゴレこの歌知ってるんですか?」
「前に山本が獄寺君に聞かせてた・・・ああ!思い出すだけで嫌になる!!」
その時は獄寺君が『10代目のお耳に何いかがわしいもんお聞かせしてるんだテメー!!』とかいってダイナマイト投げて大惨事になった
なぁ・・・なんて嫌な事を思い出してしまう。
聞かされてたのは君だったんだよ、獄寺君。
「なかなかやりますね山本武・・・負けませんよ。送信!!」
「だからやめろって言ってるだろ!!」
俺の言葉なんて何も聞いちゃいない骸は器用にリモコンを操作して番号を入力していく。
直ぐにテンポの良いメロディが流れ出した。
骸はメロディにあわせて歌っていく。
俺から視線を逸らさずに。
「久々に歌いました。楽しかったですね、ボンゴレ」
「俺は楽しくない」
あの後延々6時間以上も骸のオンリーステージにつき合わされた俺はヘトヘトだった。
「僕は楽しかったんですよ、ボンゴレ」
「・・・」
そう言った骸の瞳は真剣で、俺は何も言えなくなる。
「それじゃぁ僕はもう戻ります。暫くは本当に出て来れないのでクロームの事を宜しくお願いしますね」
それだけ言うと骸は俺が止めるのも聞かずにクロームの身体から消えた。
「・・・ボス」
「今日は骸に身体貸して大変だったね。平気?」
「平気、骸様、ボスとカラオケに行ってとっても楽しかったって」
クロームに声をかけたらニッコリと笑って言われた。
「そう。なら良かった」
「ボス、今度は本当に私ともカラオケに行ってくれる?」
「良いよ」
クロームも骸もカラオケに行った事が無かったらしい。
俺は今度皆で行こうとクロームと約束して、別れた。
2007,12,07
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