パンッ

「・・・何の真似?」

「ひ、雲雀さんのお誕生日だと聞いて・・・」

「ボンゴレ式誕生日だ」

応接室に帰った途端に鳴らされたクラッカーに不愉快さを隠すことなく雲雀が問えば、ツナとリボーンが答えた。

その言葉にそういえばそうだったと雲雀は思いだす。

誕生日は学校が休みの為に覚えてはいるが、休日であろうと毎日学校に行き、並盛の風紀を取り締まっているため、多少曜日感覚がくるってしまっていた。


退屈ではない=   ?


「・・・」

「ぁ、あの、雲雀さ・・・」

「そんな事の為に君達は僕の前で群れてるの?」

「あぁ?そんな事って何だよ?折角10代目がてめぇを祝ってやるっつってんのによぉ」

「誰もそんな事頼んでないよ」

同じく応接室の中にいた獄寺が雲雀に向かってくるのを山本が羽交い絞めにしながら止めている。

「もう用は済んだでしょ。さっさと帰って」

そんな2人を視界の隅に入れつつ、雲雀は自分の椅子に座る。

「てんめぇ・・・」

「獄寺君落ち着いて」

「いい加減にしろ、獄寺」

そんな雲雀の態度が気に入らないと更に暴れる獄寺を今度は雲雀とリボーンが窘める。

不本意ではあるものの獄寺は暴れるのを止めたが、雲雀のことは睨みつけたままだった。

「で、君達は何でまだここにいるのかな?不愉快だから茶番劇なら僕の視界の届かない所でやって」

「てめっ・・・」

「獄寺君っ!」

「す・・・すみません」

「あの、雲雀さん。今日は雲雀さんの誕生日ですよね?」

「そうだね」

「なので、皆で雲雀さんの誕生日をお祝いしようと思ったんです」

「何が『なので』なのか全然わからないし、僕は群れる気なんて無い。今日は赤ん坊に免じて許してあげるからさっさと帰って」

「てめぇいい加減に・・・」

「何、僕に咬み殺されたいの?」

仕込みトンファーを取り出した雲雀に対抗するように獄寺もダイナマイトを取り出す。

困ったツナが助けを求めるようにリボーンを見るが、そこにリボーンの姿は無かった。

「ぇ、リボーン!?」

「小僧ならさっき出て行ったぜ」

「なぁぁぁぁっ!!」

リボーンがいない応接室で叫んだツナに雲雀は容赦なくトンファーを振るう。

それをかろうじて避け、ツナは応接室から逃げ出し、その後に獄寺と山本も続く。

走り去りながら 机の上にあるのはプレゼントです という言葉を廊下に響き渡る声でツナは叫んだ。


「何なの、一体」

「甘くなりましたね、雲雀恭也」

「何の用、六道骸」

何時の間にか応接室にいた骸に鬱陶しいと言いたげな視線を向けながら雲雀は問う。

そんな雲雀の様子に独特の笑みを零しながら骸は言う。

「君が彼等を見逃すのが意外だったのでつい」

「別に理由なんて無いよ」

「誕生日を祝おうとしたというのが気に入ったんですか?」

「そんな事思ってないって君にならわかるんじゃないの?」

「わからなくはないですよ。君と僕は似ていますからねぇ」

視界から外していても、骸の声はしっかりと雲雀の耳に届く。

「君も早く消えてよ」

「えぇ、消えますよ。君にプレゼントを渡したらね」

「そんな物いらない」

「受け取る、受け取らないは自由ですよ」

コトリと小さな包みを机の上に置き、骸は笑う。

「何それ?」

「気になるのなら開けてみてください」

「・・・」

「君は本当に強情ですね。では、また来年もこうして君の誕生日を祝いに来ますよ。Arrivederci」

そう言うと骸は霧のように消えた。


「委員長、今日の報告ですが・・・」

「何?」

「何かいい事でもありましたか?」

「何で?」

「少し楽しそうでしたので」

「そうだね。まぁ、退屈ではなかったね」



2011.05.05