カチャッ

「・・・なんの真似?」

「クフフフ、セーフティを解除した銃を突きつけられているというのに余裕ですね、雲雀君」

「質問に答えなよ。何の真似?」

「耐えられなくなったんですよ。雲雀・・・恭弥・・・」

「そういう風に呼ばれるのは久々だね」

「会ったばかりの頃はこう呼んでいましたね、雲雀恭弥・・・と」

「だから何?」

「言ったでしょう。耐えられなくなったんです」

「何に・・・?」

「何に・・・でしょうね」

「君が言いたい事は僕には理解できないよ」

「良いんです、それで。重要なのは君が僕に殺されると言う事なのですから」

「何言ってるの?僕をそう簡単に殺せると思ってるの?」

「さぁ・・・どうでしょうね」

「・・・」


人間心理


「有名人の熱狂的なファンが、有名人を殺すと言う話がありますね」

「何言って・・・」

「はっきり言って、僕にはその心理がわかりませんでした。つい最近まで」

「ちょっと・・・」

「でも、最近ようやくわかりました。自分の最も好きなもの、最も大切なもの、最も重要なもの、 それを人目につかせているのは嫌なんですよ」

「だから、何言ってるわけ?」

「自分だけを見て欲しい。そう思っても、できない場合、どうすると思います?」

「聞きなよ」

「殺すんですよ」

「ねぇ、六道」

「殺せばその存在は誰も見なくなる。誰にも心を与えなくなる」

「六道」

「死者を穢す事など誰にも出来ない。死者は聖人化され、誰にも踏み込めない聖域となる」

「六道」

「そして・・・殺したものには、自分かその命を絶ったという想いと、事実が残る」

「六道」

「自分の手で、大切なものを誰の手も届かない場所へと送ったという事実が」

「六道」

「だから、死んでください、雲雀恭弥」

「骸・・・」

ガウンッ


ドサッ

「あぁ、これでもう何も心配はありません。君は僕のものだけになったんですから」

―――恭弥―――

そう言うと骸は雲雀の死体に口付けた。


2006,10,6