「ヒバリ、ヒバリ」

「・・・」

「ヒバリ、オメデトウ。ヒバリ、オメデトウ」

「何?」

応接室のソファーにゆったりと腰をかけ、日誌を読んでいた雲雀は愛鳥の言葉にゆっくりと顔をあげた。


ささやかなる言葉


学校が休みなんて我が道を行く雲雀には関係無い事で、GWも終わりに差し掛かったある日も雲雀は応接室にいた。

愛鳥はいつの間にかどこかへ行ってしまっていたが、それもいつものことなので雲雀は気にもとめていなかった。

その愛鳥が戻ってきて発した言葉に雲雀は疑問を感じながらも問うた。

「何が『オメデトウ』なの?」

「ヒバリ、オメデトウ」

「答えなよ」

少し声を低くし、鳥に再度問う。

「タンジョウビ」

「誕生日?」

「ヒバリ、タンジョウビ」

「あぁ」

そこまで言われてやっと雲雀は今日が5月5日であり、自身の誕生日だと気付いた。

「ヒバリ、オメデトウ」

「・・・うん」

誕生日だからといって特に何かすることも無く、ただ普段と同じ時間が過ぎるだけ。

それでも、自分の誕生日を祝ってもらう事に嫌悪感は無い。

まして、それが自分の愛鳥ならば。

少ししてから雲雀が差し出した指先にちょこんととまった雲雀の愛鳥は、雲雀の膝の上に何かを落とした。

雲雀が視線を落とせば、そこにあったのは一輪の花。

「ヒバリ、ヒバリ」

パタパタと羽を羽ばたかせ、雲雀にそれを手にするように促す。

雲雀が花を手に取ると鳥は満足そうに一鳴きした。

「僕に?」

「ピィ」

「そう・・・ありがと」

「ピィ!」





2009.5.4