『イタリア本部の内部は迷路だ。道がいくつもわかれている。出来れば同じ属性の守護者が組んで進むのが
良いはずだ』
共闘 〜雲雀Ver〜
日本の並盛の地下にあるボンゴレのアジトの作戦室に、日本のミルフィオーレのアジトへ奇襲作戦から帰ったボンゴレ10代目の
守護者達、ツナ、リボーン、ビアンキなどが揃っていた。
ただ、襲撃前と違っていたのは、殆どの守護者達が2人いることだった。
「最後にペアを発表します。獄寺君と獄寺君(10年後)」
「わかりました。よろしくな」
「お、おぉ…」
「山本と山本(10年後)」
「よろしくな〜」
「あぁ。よろしくたのむぜ」
「ヒバリさんとヒバリさん(10年後)」
「…」
「…」
「えっと…お兄さんとクローム」
「極限まかせろ!!」
「ボスが言うなら…従う」
「最後に、俺とラル・ミルチ」
「妥当な判断だ」
「じゃぁ、今日のミーティングは終わりです。明日に備えて休んでください」
守護者達が作戦室から出て行った後、ツナはグッタリとして机に突っ伏した。
「こ・・・怖かったぁ・・・」
作戦会議中の部屋のピリピリした空気はツナには恐怖の対象だった。
「ヒバリさんが2人だもんな・・・」
その中でも殺気を全く隠そうとしなかったのが雲雀である。
中学生の雲雀はあからさまに10年後の雲雀に対して殺気を隠さず、それを10年後の雲雀は面白がっていた。
その殺気に触発されたのか、中学生の獄寺も殺気立っていた。
10年後の獄寺はといえば、ミルフィオーレのアジトから帰ってから事あるごとに『10代目、10代目』と連呼していた。
10年後の山本いわく、『この時代のツナはもういないから』らしい。
それが更に中学生の獄寺の癇に障り、事ある事にダイナマイトを爆発させた。
それが中学生雲雀の癇に障り・・・エンドレスである。
「無事に・・・何とかなると良いなぁ・・・」
ツナの呟きは誰にも聞かれることは無かった。
「ヒバリ、ヒバリ」
スッ
「あぁ、君にも懐いたんだ。僕なんだから当然か」
愛鳥を指にとまらせた中学生雲雀に10年後雲雀が近づきながら言った。
「丁度良かった。あなたに言っておきたいことがあったんだ」
「何?」
「僕は群れるつもりはないよ。相手が自分でも」
10年後の自分を睨みつけながら中学生雲雀が言った。
「…」
「だから、あなたと組むつもりはない」
「…」
「指輪もボックスもあるんだ。僕は好きにやらせてもらう。それだけ」
踵を返し、10年後雲雀から遠ざかっていく中学生雲雀を見ながら10年後雲雀が言った。
「…六道骸」
ピクッ
「…」
「彼は元気かい?」
「知らないよ」
「へぇ。君は知らないんだ」
「あなた、何が言いたいの?」
その場で向きを変え、相変わらず10年後雲雀を睨みつけながら中学生雲雀が言う。
「教えてあげてもいいよ」
「…」
「知りたいんでしょ?」
「そんなこと…」
「無いんだ」
「…」
「無駄だよ。僕は君だからね。君の思いはわかるよ」
意地の悪い笑みを浮かべる10年後雲雀を睨みつけながら、中学生雲雀は絶対に将来こんな人間にはならないと硬く心に誓う。
「…」
「君は六道骸に負けて、彼を咬み殺す事が重要だった頃の僕だ」
全てを見透かしたように笑う10年後雲雀に中学生雲雀はトンファーを繰り出そうとしたが、それを何とか理性で抑える。
「あなた、ムカつく」
「自分にそう言われるとは思わなかったよ」
「僕は絶対にあなたみたいな大人にはならない」
「どうかな」
「…本当に、ムカつく」
「み〜どりたなびく〜なみもりの〜」
「キュッ」
「キュッ」
高い天井の大きな部屋を優雅に雲雀の愛鳥が飛びまわり、地には2匹のボックス兵器のハリネズミがいた。
「よくやったね、バリー。君も流石だね」
ハリネズミを撫で、中学生雲雀に声をかけるものの、中学生雲雀は10年後雲雀を見事に無視する。
「僕は随分と嫌われてるね」
「…」
「僕は君なんだけどね」
「…僕は、あなたみたいにならない」
10年後雲雀を見ることもせずに中学生雲雀が言った。
「そうかもね。僕にはこんな記憶は無いから」
「ぇ?」
予想外の言葉に中学生雲雀が思わず10年後雲雀を見た。
「あぁ、君は知らないんだったね。この時代は歪みの上に成り立ってるんだよ。だから、多分君達が過去に戻れば
この未来は生まれない」
「…」
「よかったね。君の嫌いな僕にはならないよ」
特に何かの感情を持っているわけでもなく、淡々と喋る10年後雲雀を思わず中学生雲雀は凝視し、少しした後言った。
「…あなたは、それでもいいの?」
「…面白い事を言うね」
「…」
「…良いも悪いもないよ。君の未来が僕じゃなくなるだけで、僕は僕なんだから」
「それで、いいんだ?」
「構わないよ」
「そう。なら、いい」
それで納得して、構わないのならばいいと中学生雲雀は言い、10年後雲雀から視線を逸らした。
「君はそれでい良いんだ。他人に捕らわれず、自由に生きればいい」
「何か、自分に言われるのって変な感じ」
「確かに。自分に話しかけてるのって変な感じだね」
「…」
「…」
お互いがお互いをじっと見つめる。
2人が出会ったのは本来ありえないことで、もう2度と会わないことはお互いがよくわかっていた。
「…行くよ。百蘭って奴を倒したら、六道骸の事を教えてくれるって話し、忘れないでね」
「わかってるよ」
その約束が恐らく果たされない事も・・・中学生雲雀はよくわかっていた。
2009.01.01
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