Presente
「何ですか、その嫌そうな顔は。折角僕が会いに来たんだから嬉しそうにしたらどうです?」
「君が来たから不機嫌になったのがわからないの?」
「残念ながらわかりません。何故ならそんな事は有り得ないからです」
「…もういい。風紀の仕事が溜まってるんだ。邪魔だからさっさと帰って」
「…どうしたんですか?」
「何?」
「君らしくない」
「何の話?邪魔だから机に座らないでよ」
「…」
「!何を…」
「熱は…」
「あるわけないでしょ。邪魔」
唐突に額に手を当てられてふざけたことを言われ、僕は六道骸の手を叩き落とした。
「クフフ…熱、ありますね」
「無いよ」
「おやおや、意地っ張りですね」
「煩い…」
「…」
六道骸が立ち上がり、ドアに手をかける。
「帰るんだ」
「おや?帰ってほしくないと…僕に側にいてほしいと言うんですか?」
「まさか。いつもは何度帰れって言っても帰らないのに、今日はあっさり引くと思っただけだよ」
「クフフ…怪我人と病人には優しいんですよ、僕」
「ふざけるな」
「クフフ…それでは雲雀恭弥、お大事に」
そう言って六道骸が応接室から出て行く。
途端に部屋が静まりかえった。
「今日は応接室に泊まろうかな…」
一人きり…これが本来あるべき姿の応接室で、あいつがいる方がおかしいんだ。
「っ…」
本格的に熱が上がってきた。
「やっぱり帰ろう…」
でも、僕の身体は自分の身体なのに思うように力が入らずにその場に膝をつく。
「くっ…」
身体が思うように動かない。
「くそっ…」
「 」
幻聴…あんな奴の…
「 」
「ろくど…」
「…」
「起きましたか」
視界に入ったのは六道骸。
「…何で君がいるの?」
「心配になって様子を見に来たんです」
「余計な事はしなくていい」
そう、余計な事だ。
「自力で床から動く事も出来なかったくせに言いますね」
「君には関係ない」
「まぁ、構いませんけどね」
「…」
「今日はココに泊まるんでしょう?食べ物と飲み物、薬もあります。好きに使ってください」
「…」
僕は差し出された袋を睨みつけるように見た後、六道骸を見た。
「クフフ…御礼の言葉の1つも無いんですか?」
「あるわけないでしょ。君が勝手にやったんだから」
「予想通りの答えですね…だから…」
「っ…」
「勝手に御礼を貰います」
「…」
「まだ熱いですね」
額に六道骸のそれをあてられ、反射的に身体が動く。
仕込みトンファーを振るうも、普段よりそのスピードは遅く、六道骸は簡単にそれを避ける。
「暴れると熱が上がりますよ」
「君を殺せるなら構わないよ」
「恐いですねぇ」
「死にな…」
立ち上がり、トンファーを再度振るおうとした時、足の力が抜ける。
「ほらほら無理をするからですよ」
「絶対に、咬み殺してやる」
「楽しみにしておきますよ」
「朝…か」
「雲雀、雲雀」
「あまり鳴かないで。頭に響く」
「ピィ…」
「だいぶ直ったみたいですね」
「まぁね」
「クフフ…君は本当に面白い」
「僕は君が嫌いだよ」
「構いませんよ」
「…」
「では僕はこれで…」
「…帰らないの?」
「忘れてました。これを君に」
「何これ」
「開ければわかります。それでは」
それだけ言うと六道骸は本当にいなくなった。
とりあえず、渡されたものを開けてみる。
それを見た直後、僕はそれをトンファーで粉砕した。
「クフフ…そろそろプレゼントを開けた頃ですかね。Buon Compleanno」
2008.05.05
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