毎年誕生日には家で盛大なパーティがひらかれた。

多くの有名人と、多くのプレゼントと、多くの心など無い祝いの言葉。

家の名に群がってきた奴等に、俺は形式的な挨拶を繰り返した。

そんな中で俺はいつも誰かを探してる。

誰かはわからない。

だけど、気がつけば無意識に誰かを探してる。

それは…誰だ?


Buon Compleanno Giulio R3


苦しい。

まるで水中にいるかのように息が出来ない。

苦しい。

苦しい。

誰か、誰か、誰か…。

「ジュリオッ!」

「!?」

「うわっ!」

「はぁ…はぁ…ジャン、さん?」

「ぅ、うん。Good Morning?」

「ぁ…はい。おはようございます」

「あのさ、ナイフ下ろしてくんねぇ?」

「ぇ…す、すみません!」

ジャンさんに向けていたナイフを慌ててしまい、謝る。

「無事だったからイイんだけど、気を付けろよ?」

「はい。すみません、すみません」

「だからそんなに謝んなって。で、どうした?」

「?」

「お前凄くうなされてたぜ?何か嫌な夢でも見たのか?悪夢は人に話すと忘れられるらしいから、よかったら話してみろよ」

「はい…」

俺は夢の話をしていく。

俺自身もわかってないんだから、ジャンさんはもっとわかってないと思う。

それでも何も言わずに聞いてくれた。

「俺はさ、俺とジュリオが出会ったのはスゲー事だと思うんだよ」

「何故です?」

「ボンドーネ家のお坊っちゃまと、俺みたいな家柄も金もコネも何にもねぇ奴は普通会わないって。もし会ってもこんな風に普通に会話なんてしねぇよ」

「でも、ジャンさんは俺達のカポになってくれました。俺達の、俺のっ…」

「だから、んな幸運はそうそう無いんだって」

「…」

「泣きそうな顔すんなよ」

「はい…」

「イイコだな」

ジャンさんが俺の頭を撫でてくれる。

不思議とそれまでのもやもやや恐怖が消えていく。

あぁ、ジャンさんはやっぱり俺の…。

「太陽」

「ぇ?ナニ?」

「ジャンさんは俺の太陽なんです」

「ん〜…悪ぃ。俺バカだかわかんねぇや。でも…」

「ぁ、ジャンさ…」

ジャンさんの手が俺の頬に添えられる。

温かい…。

「ジュリオが俺の事スゲー大事に思ってくれてんのはわかった」

「ぁ、あの、俺…」

「ありがとな。俺もジュリオがスゲー好きだぜ。アイシテル」

「ジャン、さん…」

「誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとな」



2012.02.16