「ママ〜、こいのぼり持って来て」

「はいはい」


端午の節句


「柏餅は持った。菖蒲は戦国時代にある。こいのぼりももったし、鎧兜は戦国時代。よし、準備万端。
 行って来ます!」

そう言うとかごめは井戸を潜って戦国時代へと向かった。


「かごめ、帰って来てからずっと何をしているんじゃ?」

という楓の声にかごめは作業の手を止めずに

「端午の節句の用意よ、楓おばあちゃん」

と答えた。

「何じゃ、それ」

「男の子の健やかな成長を願う行事なの」

「ほおぅ、そうじゃったのか」

「うん。ところで犬夜叉達は?姿が見えないけど」

「かごめが帰っている間に妖怪退治を頼まれてな、犬夜叉達に行ってもらったんじゃ」

「いつ位に帰ってくるかな?」

「じきに帰って来ると思うがな」

「じゃあ早く支度しなくちゃ」


「何であんな雑魚をわざわざ退治しに行かなきゃいけねえんだよ」

「仕方ないだろ、退治を頼まれたんだから」

「頼まれたのは楓ばばあだろうが」

「まあまあ犬夜叉、良いではないですか。どうせ暇だったのですし」

「けっ」

「そうじゃぞ、犬夜叉。人助けをした後は気持ちが良いではないか」

「お前は何もしてねえだろうが」

「何じゃと」

「けっ、くだらねえ」

「酷いぞ犬夜叉!おらに謝れ!」

「うるせえんだよ」

バコッ

「うわあああん!犬夜叉が殴った〜」

「犬夜叉、おすわり」

「ふぎゃっ」

「七宝ちゃんは悪くないのにポカポカ殴らないでよ。可哀相じゃない」

「かごめ…てめえ…」

「かごめ様はいつ戻って来たのですか?」

「ついさっきよ」

「かごめちゃん、その手に持ってる物は何?」

「これ?これはちまきと柏餅」

「何、それ?」

「今日は私の国では端午の節句っていう行事がある日でね、その日はコレを食べて、鎧兜を飾って、
 菖蒲を浮かべたお風呂に入るの」

「かごめちゃんが手に持ってるソレは食べ物なんだ」

「そう。こっちは柏餅。で、こっちがちまき」

「かごめ様、ちょっといいですか?」

「何、弥勒様」

「さっきから気になっていたのですが、その魚みたいなのは何ですか?」

「これはこいのぼりよ。これから空にあげようと思って」

「空にあげる?」

「風になびくようにするって事かな」

「なるほど」

「かごめちゃん、何か手伝おうか?」

「本当?」

「かごめ、おらも手伝う!」

「有難う、七宝ちゃん」


「かごめ、これはこうか?」

「もうちょっと右かな」

「こう?」

「うん、そんな感じ」

「かごめ様、こちらは?」

「うん、これも良い感じ…犬夜叉、いつまで寝てるつもり?」

「うるせえな」

「じゃあ犬夜叉はちまきも柏餅も食べないのね」

「なっ、何でそうなるんだよ!」

「働かざるもの食うべからずって言うでしょ」

「…」

「だから手伝ってない犬夜叉は食べないって事で」

「…わ−ったよ。やればいいんだろ?やれば」

「じゃあ犬夜叉は…」

「何だかんだ言いながらも2人は良いコンビだよね」

「そうですね。かごめ様が妥協している所も多いですけどね」

「かごめちゃんは本当に心が広いと思うよ」

「そうですね。まあ、珊瑚も広いと思いますけどね」

「それ、どういう意味?」

「そのままの意味ですけど」

「・・・」


その後は犬夜叉もしっかり手伝ったという事で犬夜叉、かごめ、珊瑚、弥勒、七宝、雲母、楓、
 と大勢でこいのぼりを見ながらちまきと柏餅を食べた。
 その後菖蒲風呂に入っていた珊瑚を覗いたという事で弥勒が珊瑚に叩かれたのは言うまでも無い。