『かごめ、明後日も帰ってこられる?』
『明後日?何かあるの?』
『近くの川原で花火大会があるのよ』
『花火大会?』
『そうなのよ。それもう浴衣まで用意したのよ』
『多分大丈夫だと思うけど・・・・』
『そう?じゃあ犬夜叉君も連れてきてね』
『犬夜叉を?』
『そう。犬夜叉君を』
『・・・一応聞いてみるね』
『頼むわね』
秋祭り
「てなわけで行かない?」
「花火・・・・」
「花火っていうのは火薬玉に火をつけて空に打ち上げるの。そうすると色とりどりで綺麗なんだよ」
「そうなのか・・・」
「そうなの。行かない?」
「・・・・・」
犬夜叉が考えていると
「のうかごめ。かごめは明後日と言ったのか?」
という七宝の声が聞こえた。
「言ったわよ、七宝ちゃん」
とかごめがかえす。
「明後日とは朔の日ではないのか?」
「あ・・・・」
「じゃろ?」
「でも、あっちは妖怪とかいないから安全だと思うよ」
「・・・・確かに」
「行こうよ」
「仕方ねぇ。行ってやるか」
と仕方なくかごめに従ったような態度をとった犬夜叉だったが、顔は楽しそうだった。
「犬夜叉、何食べてるの?」
とかごめが手に一杯食べ物を持っている犬夜叉に聞く。
「ふぁごぉめぇ(かごめ)」
「恥ずかしいから止めてよ犬夜叉。友達とかもいるかもしれないんだから!!」
と怒るかごめに対して
「ったく、いいだろ。こんなに食い物があるし、食ったことねぇ味なんだから」
と犬夜叉が答える。
「まったく・・・・」
「で、花火とやらはまだなのかよ」
「えーっと、もうそろそろかな」
「そうか・・・ところでかごめ」
「何?」
「その着物似合ってるな」
「・・・・・」
今のかごめは上品な水色の布地に映える紫色の花をあしらった綺麗な浴衣に黄色の帯を締めた姿だった。
「・・・有難う」
とかごめは少し顔を赤くしながら言った。
「?」
「似合うって・・・言ってくれて・・・」
「・・・・・まぁ・・・・」
とつられて犬夜叉も顔を赤く染める。
「は・・・・花火見るのはさ、あんまり近くないほうがいいんだって」
とかごめが思い出したように言う。
「そうなのか?」
「うん、そう。だからママが良い場所教えてくれたの」
「良い場所?」
「ちょっと崖っぽいらしいんだけどそこからだと花火が正面に見えるんだって」
「じゃあそこにいこうぜ」
「今から行けば丁度良いかもね」
といってかごめが腕時計を見た。長針は7時47分を指していた。
「「・・・・・」」
がこめの母が言っていた眺めがよい所という崖に似たところに着いた犬夜叉とかごめは固まって絶句した。
先客がぞろぞろといたのだ。
それはまだいいのだが、若いカップルばかり・・・・というかそれしかいなかった。
『場違い!!』
という言葉がかごめの脳内を駆け巡る。かごめは直ぐにそこから逃げたくなった。
しかし、それでも何とかその場に留まっていた。
犬夜叉は固まったままだった。かごめが
「犬夜叉、犬夜叉」
と声をかけても気付かない。
「犬夜叉、犬夜叉、犬夜叉ってば!!」
とかごめが何回も犬夜叉を呼ぶと
「へ・・・・?」
というまぬけ声をだして犬夜叉が振り返った。
「ほら・・・だから・・・・」
と何故か慌てて犬夜叉が喋ろうとするが、焦っていて呂律が回っていない。
「何?どうしたの?」
「いや・・・その・・・だから・・・・な、何でもねえ!!」
『・・・・犬夜叉挙動不審?』
などとかごめが変な事を考えていると
「ほら・・・行くぞ・・・・」
と言って犬夜叉がかごめの手を握り、もっと良く花火の見える方へと移動した。
その時繋がれた2人の手は家に着くまで離れることは無かった。
後書き
久々の犬かご小説。
本当は夏ネタが有ったんですが季節的に削除。秋ネタです。
秋祭りってこんな感じでしょうか?
種橋の家のそばでは太鼓で盛大にやりますが・・・・。
秋祭りまたチャンスがあったら書きたいです。
2003,9,28
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