「犬夜叉、織姫と彦星は可愛そうじゃなー」
といきなり七宝が犬夜叉に言う。
星見
「はぁ?織姫ー?彦星ー?何だそれ」
「何じゃ、知らんのか?年に一回だけ会う事を許されている2人の話じゃ」
「ああ、ガキに聞かせる話か」
「何じゃと!!いい話ではないか!!」
「・・・七宝、何でその話知ってるんだ?」
「この前かごめがこの本とやらをオラに読んでくれたんじゃ」
そう言って七宝は手に持っていた本を見せる。
「かごめは今、国に帰ってるからなー」
「犬夜叉、お前かごめに会いに行け!!」
「はぁ?何で俺が」
「かごめが言っておった。七夕の日は好きな者と一緒にいるのが ろまんちっく でいいんじゃと」
「ろ・・・ろまんちっくぅ?何だそれ」
「知らん」
「・・・・」
「兎に角会いに行け!!」
「イヤだ」
「犬夜叉!!」
「かごめは てすとー のために国に帰ったじゃねえか」
「そうじゃな」
「なら会いに行っても無駄じゃねえか」
「じゃが・・・・」
「兎に角、行かねえって言ったら行かねえんだよ!!」
「犬夜叉のバカー!!」
そう言うと七宝は何処へともなく走っていってしまった。
「ったく、何だよ七宝の奴・・・ん?」
犬夜叉がふと地面に視線を落とすと七宝が持っていた本が落ちていた。
犬夜叉はその本を拾い、パラパラとページをめくる。
『―――織姫と彦星は仕事をさぼり、毎日会っていたので天帝に怒られ、会えなくされてしまいました―――』
『―――しかし、織姫と彦星は年に一回、七夕の日の夜にだけ会う事を許されます―――』
犬夜叉にその本を読む事はできなかった。しかし犬夜叉は各ページの挿絵を暫く眺めていた。
「かごめー、テストどうだった?」
「かごめってずっと入院してたけど大丈夫なの?」
「聞かないで・・・」
「で、でも良かったじゃん、一応テストは終わったんだし」
「そうそう」
「うん・・・」
「かごめ?」
「明日も補修&小テストだって」
「が、頑張れ、かごめ」
「応援してるから!!」
「有難う・・・」
「じゃあ、かごめは今日無理なんだ」
「何が?」
「北条君に何も言われなかったの!?」
「何を?」
「はぁ・・・かごめ、あんた今日が何の日か知ってる?」
「今日?」
「そう、今日」
「・・・何かあったっけ?」
「「・・・・・」」
「?」
「今日は夏祭りでしょ!!」
「・・・ああ!!」
「かごめ鈍い」
「いいでしょ。で、何で?何かあるの?」
「北条君がかごめを夏祭りに誘うとか・・・」
「・・・私そんな事全然知らないんだけど・・・」
「・・・まあいっか。あ、じゃあ私達はここで」
「ちょ・・・」
「かごめー、テスト頑張ってね!!」
「あ・・・うん・・・」
カリカリカリ
鉛筆独特の音がかごめの部屋に響く。
「・・・あー、駄目だぁー!!仕方ない、ちょっと休憩しよ」
そう言ってがごめはベットに座った。そして窓から星空を眺める。
「夏祭り・・・かぁ・・・。そういえばあっちはもっと綺麗に星が見えたなぁ」
そう独り言を言いながら星を眺めているとふいに赤く大きな物体が横切った。
「い、今のって犬夜叉?・・・そんなわけないよね〜」
「かごめ」
「きゃぁ!!」
かごめがすこし目を放した直後、目の前に犬夜叉が立っていた。
「い・・・犬夜叉・・・」
「かごめ・・・」
「バカ!!何で私の目の前に立ってるのよ!!」
「え?」
「驚いたじゃない!!」
「あ・・・悪い・・・」
「・・・・」
「かごめ、来い!!」
「私明日もテストなのよ!!」
「あっちに帰るんじゃねえよ」
「え・・・?」
てっきり犬夜叉が連れ戻しに来たのだと勘違いしていたかごめはその言葉に驚いた。
「え、じゃあ、どこに行くの?」
「どこでも良いだろ。乗れ」
「・・・・」
かごめは犬夜叉の行動に疑問を感じつつも黙ってその言葉に従った。
タンッ タンッ 犬夜叉はいつものようにかごめを乗せたまま、屋根を伝って走る。
かごめは再度犬夜叉に尋ねる。
「犬夜叉、どこへ行く気なのよ!?」
「・・・・」
「犬夜叉」
「少し黙ってろよ、かごめ」
ムッ
「お・・・」
かごめが『おすわり』と言いかけると、
「ほら、着いた」
と言って犬夜叉が止まる。
「あれ、ここって・・・・」
「星が・・・見えるだろ?」
「うん・・・・」
「・・・・」
「もしかして、ワザワザこの星のために?」
「まぁ・・・な・・・」
「何でわざわざ・・・」
「今日は・・・・七夕・・・なんだろ?」
「・・・・違うよ」
「え!?」
「今日は・・・7月7日じゃないよ」
「え・・・え・・・」
「もしかして・・・今日だと思ってた?」
「ああ」
「七夕祭りってね、基本的には7日なんだけど、もっと後の場合もあるの。今日は遅い日の方」
「じゃあ・・・」
「今日でも合ってるよ」
「良かったのか・・・」
「うん」
「かごめ、気に入ったか?」
「うん。凄く綺麗・・・」
「そうか」
「綺麗・・・・」
「かごめ、座ったらどうだ?」
そう言いながら犬夜叉が座る。
かごめも犬夜叉の隣に座る。
空を見上げれば無数の星星。
2人はずっと星を眺めていた。
突然かごめが「クシュン」とくしゃみをした。
「寒いのか?」
「少しね。ここ、山の上の方だし・・・え」
犬夜叉は自分の非鼠の皮衣をかごめにかける。
「い、犬夜叉!?」
「寒いんだろ?着てろよ」
「犬夜叉は?」
「人間と一緒にするな」
「犬夜叉だって半分は人間のくせに」
「・・・・」
「・・・ありがと、犬夜叉」
そう言ってかごめは笑う。
「・・・・」
「ねぇ、この星もう少し見ててもいい?」
「寒くねえのか?」
「これがあるから平気」
とかごめは非鼠の皮衣を指して言う。
「じゃあ、もう少し見てくか?」
「うん・・・」
2人はそのまま時が経つのも忘れたように星を眺めていた。
後書き
久々の犬夜叉小説。しかももう七夕終わってるし・・・。
仙台はまだですよね!!仙台の七夕の日の話って事でお願いします。
2003,7,27
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