キイィィンッ
金属のぶつかり合う音が聞こえる
体中に感じる高揚感
あぁ、俺は今戦ってるんだ
狂と・・・
First Fight
いつも感じていた差
追い続けてきた背中
憧れた強さ
望んだ戦い
たとえ今は敵わなくても、1年後は、2年後はわからないだろ?
今の俺がどこまで狂に追いついているのか知りたい
狂はいつも俺達の予想を上回る力を見せ付ける
今の俺では敵わないかもしれない
でも、狂は四聖天のアキラではなく、漢としてのアキラを認めてくれた
勝ちたい
勝つんだ!
狂に!!
「霧氷月天!!」
「朱雀!」
俺の放った霧氷月天を狂の朱雀が易々と防ぐ。
負けられない。
負けられないんだ!!
「氷繭十字星霜!!」
真っ直ぐに俺に向かってくる朱雀を防ごうと、俺は氷繭十字星霜を作るが、そのまま向かってきた朱雀によって破られた。
「ぐうっ・・・」
砕けた氷の欠片が俺に突き刺さる。
「終わりだな、アキラ」
一瞬のうちに俺の喉元に狂の天浪が突きつけられた。
「まだ・・・終わってませんよ」
ぜぇぜぇと荒い呼吸で狂を見つめる。
狂が楽しそうに笑っているのが見える。
強い者と戦える事を純粋に楽しんでいる。
俺は・・・認めてもらえたんだ。
「狂、次の一撃が今の俺の精一杯だ」
狂が天浪を引き、俺が双剣を構える。
「止めろアキラ!僕と戦ったときのあの技は・・・」
「黙っていてください、時人」
「アキラっ!!」
「黙っていろ!!」
時人の言葉に叫んだ。
誰にも邪魔はさせない。
狂と戦って死ぬならそれでもいい。
後悔なんてしない。
「まだ何かやるつもりか、アキラ?」
「あぁ、とっておきを見せてやるよ、狂」
そう言って俺はニヤリと笑う。
「・・・」
狂の眼が楽しそうに細められる。
さぁ、行くぜ。
「超冷点!!」
自分自身に刀を突き刺し、灼熱の冷気を叩き込む。
「っああああああああっ!!!」
「一体何のつもりで・・・!?」
「こうして会うのは7年振りだな、狂」
「アキラ、お前・・・」
「超冷点に灼熱の冷気を放ったことで、失ったはずの視覚まで一時的に取り戻したんだ」
「・・・」
狂の驚いている顔が見える。
感じて視るのではない。
己が眼で狂を捕らえる。
狂・・・。
「さぁ、続けるぜ」
「!」
キィンッ
一瞬で間合いを詰め、刀を振り下ろす。
それでも流石は狂と言うべきか、きっちりと俺の刀を受ける。
「なかなか速いじゃねえか」
「まだまだ序の口だぜ!!」
「ふんっ」
狂、狂・・・。
「霧氷月天!!」
「青龍!!」
お互いの攻撃が当たり、お互いにダメージをくらう。
「はぁ・・・はぁ・・・うぐっ・・・」
「大分息が上がってきたな・・・」
「そう言う狂も結構ダメージを追ってるじゃねぇか」
「・・・」
「まだだぜ、天国の冷気!!」
「白虎!!」
「うがぁっ・・・」
270
狂の白虎をまともにくらってしまったが、それは狂も同じだった。
超冷点によって極限まで力を高めた俺の一撃を。
侍の血なんか無くても俺はここまで上り詰めた。
「ちっ・・・」
277
狂が立ち上げるのが見える。
もう時間が無い。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「はぁ・・・くっ・・・」
286
視線が絡む。
持ってくれ、俺の身体。
「黄龍!!」
「氷影のマリア!!」
290
辺り一面を光が包み、俺は吹っ飛ばされた。
狂は・・・。
「くっ・・・」
身体に力が入らない。
でも、狂がまだやられていないのはわかる。
頼む。
後一撃。
後一撃分の力を俺に・・・。
チャキッ
「!」
297
「狂・・・」
299
「俺のま・・・」
グラッ
身体に力が入らない。
視界が・・・歪む。
狂、俺は・・・。
ドサッ
「強くなったな。だが・・・その程度じゃ俺は・・・超えられねぇ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「俺も結構ダメージくらった・・・な。あんなに弱かった餓鬼が・・・強くなったもんだぜ」
「・・・殺せ」
「あぁ?」
「俺は負けたんだ。だから殺せ」
地面に倒れ、惨めな姿を曝す。
俺は負けた。
狂に負けた。
それが・・・こんなにも悔しい事だったなんて・・・。
「・・・ふざけんな」
「・・・」
「負けたら簡単に・・・『死』だなんて言うほど甘く・・・育ててねぇはず・・・だ」
「・・・」
「それにお前は・・・負けたんだから一生俺の下僕だ」
「何だよ、それ・・・」
「梵天丸が言ってる『下克上』・・・ってやつだ。いつでも・・・かかってきな。相手してやるよ」
「狂・・・約束だからな」
「あぁ」
それだけ言うと狂はその場に膝をつき、俺は意識を手放した。
2008.04.17
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