それは・・・あまりにも圧倒的な差だった


最後の戦


始めは弥勒様。

痛覚を感じなくなっていても、瘴気を吸いすぎた身体はもたなかった。

次は雲母。

奈落の毒手に絞め殺された。

次は珊瑚ちゃん。

奈落の毒手で引き裂かれた。

次は殺生丸。

冥道残月波を反されてしまった。

そして最後は・・・犬夜叉。

汚れた四魂の玉が・・・犬夜叉を・・・殺す。


「犬夜叉ーっ」

「か・・・ごめ」

「犬夜叉、しっかりして、犬夜叉っ!!」

「かごめ・・・どこに・・・」

奈落の瘴気で目が見えてないんだわ。

「犬夜叉、私はここにいるわ!!死なないで、犬夜叉っ!!」

手を握り、必死に犬夜叉の名前を呼ぶけれど、犬夜叉の手はいつもと違って冷たい。

背中に嫌な汗をかいているのを感じる。

犬夜叉が死んでしまう。

「嫌!!目を開けて!!犬夜叉っ!!」

犬夜叉の反応はなくて、微かに息をしている事しかわからない。

「犬夜叉!!犬夜叉!!」

「かごめ・・・」

「犬夜叉・・・」

「最後まで・・・傍にいてやれな・・・くて・・・わりぃな」

「変な事言わないで!!約束したでしょ!!一緒に奈落を倒すって・・・」

「あぁ・・・やくそ・・・くっ・・・」

「犬夜叉、犬夜叉っ!!」

「かごめ・・・     」

「っ・・・」

その言葉は私が今まで一番聞きたくて、でもこんな状況では聞きたくなかった言葉だった。

今それを言うなんて・・・そんな・・・別れみたいな・・・。

「・・・犬夜叉?」

呼びかけても反応が無い。

口元に手を当てても空気の流れを感じない。

呼吸をしていない。

「いや・・・目を開けてよ、犬夜叉」

犬夜叉を揺さぶる。

それでも何の反応は無い。

「犬夜叉、犬夜叉、犬夜叉・・・」

「・・・」

「犬夜叉ーっ!!」


「犬夜叉っ・・・犬夜叉っ・・・」

「残ったのはお前だけだ、かごめ」

奈落の声が聞こえる。

「清らかなお前の心が穢れで満ちているのがわかるぞ」

今の私の心の中にあるのは・・・憎悪。

「お前の霊力が無かったから犬夜叉は死んだ」

私の・・・霊力。

「かごめ、お前ももう用済みだ」

私に霊力が戻っていれば皆は死ななかった?

私が弱いせいで足手まといになってしまった?

「私は・・・」

「死ね、かごめ。桔梗の生まれ変わりよ」

「奈落っ!!あんただけはっ!!」

無意識に弓を構え、矢を放った。

次の瞬間、奈落の毒手が私を貫き、私を空へと放り投げた。

霞む視界で最後に見えたのは・・・白い光を放つ・・・綺麗な桜貝のような色をした四魂の魂だった。



2007.12.19